
最愛のペットの死からの決意

物心ついたころから動物が大好きで,小学生のころは愛育【飼育(しいく)】委員をしていました。ある日,委員で飼育していたウサギが出産し,その中の1ぴきを引き取ることに。“自分のペット”ということがとてもうれしく,ラッキーと名付けて毎日一生懸命(けんめい)世話をしたものです。ところがある朝とつぜん,ラッキーが冷たくなって死んでいたのです。とてもショックでした。当時,祖父(そふ)や叔父(おじ)が内科医だったこともあり“命を救う仕事”への思いはおぼろげにありましたが,このラッキーの死をきっかけに“世界じゅうの動物の命を救いたい!”と強く胸(むね)にいだくようになったのです。
悲しみを乗りこえるサポートができたとき

ぼくたちは常(つね)に“生と死のはざま”というきんちょう感の中,全力でケアにあたっています。しかし今の医学で救えない命があるのも現実(げんじつ)です。ともに生活したペットとの別れ【死】は本当につらいです。その愛情(あいじょう)が強ければ強いほどその悲しみは計り知れません。そんなときぼくは,「あなた達のあふれる愛情にはぐくまれ,この子はとても幸せだった。また別の子を同じように幸せにしてあげてほしい」と伝えます。しばらくして「新しい子をむかえることに決めました。先生またお願いします」とやんちゃな子犬をいとおしそうに胸にだき,悲しみを乗りこえ,明るいえがおで飼い主さんが訪(おとず)れてくれたときは,本当にうれしいです。
小さな命の強いかがやき

勤務(きんむ)医をしていたころ,腎臓(じんぞう)の病気にかかった1ぴきのメス犬がやってきました。検査(けんさ)をしてびっくり。なんとおなかに12ひきもの子犬がいたのです。しかも半数の子はおなかの中で死んでいる状態(じょうたい)。ぼくはどちらも助けたい一心でしんちょうに子犬を取り出しました。しかしひどく弱って,肺炎(はいえん)にかかってしまった子も。わずかな望みにかけ,昼夜問わずスタッフ交代でケアにあたりました。すると3びきの子犬がきせき的に命のかがやきを取りもどしたのです。中にはハムスターほどしかない小さな小さな命が。そのときの子犬・ユリアも,今では元気いっぱいかけ回り,ぼくをいやす大切なパートナーとなっています!



