夢モデルわくわくストーリー

建築(けんちく)のことを広く世の中に知ってほしい 建築評論(ひょうろん)家 五十嵐 太郎さん 東北大学准教授

五十嵐 太郎さん

卒業設計(せっけい)と格闘(かくとう)の末,自分の適性(てきせい)を見出す

大学の専門(せんもん)は建築学でした。建築学科では卒業するときに自分で何かテーマを決めて建物を設計します。わたしは,原子力発電所を設計しました。原発の寿命(じゅみょう)は30年ほどなのに,そのあとに残る放射性(ほうしゃせい)廃棄物(はいきぶつ)は何千年と残る。何千年後をも想定して設計しました。てってい的に卒業設計と取り組むうちに,自分は,デザインや設計より,建築の歴史を勉強したり建物を社会や歴史の中で評価(ひょうか)する評論の方が得意だと気づきました。周囲もわたしの卒業設計のデザインより物語性(せい)を評価していると感じました。それで大学院で建築史を勉強しながら,建築の雑誌(ざっし)に文章を書くようになり今に至(いた)ります。

自分が発くつした無名の若手(わかて)建築家が活やくしていく姿(すがた)にわくわくする

建築評論家の仕事のひとつは,若い建築家を世の中にしょうかいしていくことです。「この人だ」と思う無名の人を見出して,文章や展覧(てんらん)会でしょうかいするのです。例えば,石上(いしがみ)純也(じゅんや)さんという建築家がいます。かれに声をかけ,展覧会に応募(おうぼ)することをさそい,かれが何かをつくって展示(てんじ)する環境(かんきょう)を整え,それを展覧会でひろうできるようにしたことがあります。かれは,建築の構造(こうぞう)計算を利用して,極限(きょくげん)的なうすさのテーブルを作り出し,それが賞を得ました。かれは,その後も,海外のコンペに出品することを許(ゆる)され,他の仕事でも活やくしています。そういう才能(さいのう)を見出したときはわくわくします。

建築界と一般(いっぱん)の人をつなぐ橋わたし役になれた自著(じちょ)【自分が書き表した本】

建築評論家は,文章で建築を批評(ひひょう)することも仕事です。最初は,建築関係の雑誌に文章を書いていましたが,自分の書いたものが1冊(さつ)の本になったときはうれしかったです。今では,何冊も著書(ちょしょ)がありますが,本の背(せ)表紙に自分の名前を初めて見たときには感動しました。3冊目の本は,博士論文(ろんぶん)を元にしたもので,大手の新聞社がのきなみ,書評(しょひょう)などの記事にしてくれました。わたしは,建築関係者と一般の人とのかけ橋となることが役割(やくわり)だと思っているので,その役目が果たせていると思えてうれしかったです。そのことがきっかけで,建築以外のメディアとのつながりもできて,今の仕事につながっていると思います。

小学生のころに好き
だったことを教えて!
  • わくわくしたこと:SF(エスエフ)を読んだり,『スター・ウォーズ』の第一作を劇場(げきじょう)で見たこと
  • 得意だったこと:特撮(とくさつ)ものの番組が終わるまでに,怪獣(かいじゅう)の絵をスケッチすること
  • 好きだった教科:算数理科
関連情報 五十嵐太郎日記サイト

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