
恩師(おんし)との出会いが絵を志(こころざ)すきっかけに

子どものころから,絵をかくのが大好きでした。でも,当時から絵かきになりたいと考えていたわけではありません。しかし,絵のコンクールなどではいつも賞をもらっていたので,うぬぼれてしまっていました(笑)。そんなわたしの目を開かせてくれたのが,高校の美術(びじゅつ)部の先生です。それまで,周りには自分より絵がうまい人間はいないと思っていたのですが,その先生の絵はびっくりするほどすばらしかったのです。そこで発奮(はっぷん)し,『自分も本格(ほんかく)的に絵の勉強をしよう』と美術専門(せんもん)大学に入学しました。
ひらめきを大切にして,イメージを追い求める

新しい絵の構想(こうそう)を練るときは,アイデアがなかなか出なくて苦しいものです。また,頭の中にすごく完成されたいい絵があっても,実際(じっさい)にかいてみると何かがちがって,イメージしていたものよりできがよくないかな,と思うこともしばしあります。しかし,ごくまれにですが,パッと『これだ!』という構図が思いうかぶことや,かき始めた絵がイメージ以上におもしろいものになりそうだ,という予感がすることもあるのです。そんなときは,とても楽しく仕事が進められますね。完成した絵が思い通りに,あるいは想像(そうぞう)以上に仕上がったときは,この仕事を選んでよかったと心から思います。
完成した絵にダイレクト【直接(ちょくせつ)的】な反応(はんのう)が返ってくる!

絵をいちばん最初に見てくれるのは,編集(へんしゅう)者さん。完成した絵を見せたらすごく喜んでくれて,胸(むね)にだきかかえるようにして持って帰ってくれた人がいます。ちょっと気に入らないな,と思っていた部分がある絵も「ここがいいですね」と,自分が気づかなかったその絵のいいところをほめてくれたりするのも,とてもうれしいです。また,数年前に初めてお会いした編集者さんが,子どものころ,わたしの絵が好きで切りぬいて机(つくえ)にかざっていたというのです。「どんな絵ですか?」と聞いたら見せてくださって,それはまさしくわたしが数十年前にかいた絵。こういうことがあると,『ようし,次はもっといい絵をかくぞ!』とはげみになりますね。



